🟢 カロナールとロキソニン、どちらを選ぶ?
~「痛み止め」はひとつじゃない~
「頭が痛いとき、何を飲んだらいいですか?」
薬局や相談室でよく聞かれるこの質問。とくに多いのが「カロナールとロキソニン、どっちがいいの?」という選択です。
それぞれに特徴があり、「より合うほうを選ぶ」のが正しい使い方。薬剤師として、それぞれの違いと選び方のポイントをお伝えします。
🟢 カロナールとは?
- 成分:アセトアミノフェン
- 特徴:穏やかな作用で、解熱・軽い痛みに使いやすい
- おすすめ:風邪、発熱、妊娠中、小児
- メリット:胃にやさしい、安全性が高い
- 注意点:強い痛みや炎症には物足りない場合あり
🔴 ロキソニンとは?
- 成分:ロキソプロフェンナトリウム
- 特徴:抗炎症効果が高く、即効性あり
- おすすめ:頭痛、生理痛、腰痛、関節痛
- メリット:しっかり効いて早く楽になる
- 注意点:胃腸・腎臓への負担あり、空腹時NG
🧭 症状別・おすすめガイド
症状 | カロナール | ロキソニン |
---|---|---|
発熱(風邪) | ◎ | △ |
頭痛(軽め) | ◎ | 〇 |
生理痛・腰痛 | △ | ◎ |
インフルエンザ | ◎ | ✕ |
妊婦・授乳中 | ◎ | 妊娠後期:×、授乳中:○ |
小児 | ◎ | × |
🧒【豆知識①】なぜカロナールは小児に使われる?
カロナールの主成分「アセトアミノフェン」は安全性が高く、過剰な炎症作用を持たないのが特長です。
胃腸への刺激も少ないため、小児や高齢者にも安心して使える解熱・鎮痛薬として、長年使用されています。
WHO(世界保健機関)も小児の発熱時の第一選択薬として推奨しており、日本国内でも乳幼児への処方薬として広く浸透しています。
🦠【豆知識②】なぜロキソニンはインフルエンザに使われない?
ロキソニンはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類され、炎症を強く抑える力があります。
しかし、インフルエンザなどのウイルス性疾患では、免疫反応を過剰に抑えてしまうことで合併症(脳症やライ症候群など)を引き起こす可能性があるとされ、医師や薬剤師の間でも慎重な対応が求められています。
代わりに、安全性が高く熱を緩やかに下げる「カロナール(アセトアミノフェン)」が推奨されます。
🍼【豆知識③】妊婦・授乳婦に対するロキソニンとカロナール
妊娠後期のロキソニン(ロキソプロフェン)使用は、胎児の動脈管閉鎖や羊水量減少などを引き起こす恐れがあるため、原則禁忌とされています。特に妊娠20週以降のNSAIDs使用は避けるべきと、FDAも勧告しています。
授乳期では、ロキソニンの成分が母乳中に移行する量は非常に少量であり、授乳中の使用は安全と評価されることが多いです。
ただし、慎重に観察すべき状況もあるため、医師の判断のもとでの使用が推奨されます。
一方で、カロナール(アセトアミノフェン)は、妊娠中・授乳中ともに安全性が高い薬剤とされており、医療現場でも第一選択薬として広く使用されています。
※本内容は添付文書と実臨床評価の両面に配慮して構成されています。
⚠️ 副作用と注意点
ロキソニン:胃の粘膜障害や腎機能低下、空腹時の服用でリスクが高まります。
カロナール:副作用は少ないですが、長期使用や過量摂取で肝機能障害</strongに注意が必要です。
飲み合わせも要注意!
市販薬や風邪薬に同じ成分が含まれる
飲み合わせも要注意!
市販薬や風邪薬に同じ成分が含まれる場合があり、重複服用による過量摂取のリスクがあります。用法・用量は必ず確認し、わからない場合は薬剤師に相談しましょう。
💬 薬剤師からのひとこと
「効きそうだからロキソニンを選ぶ」「なんとなくカロナールにしておく」…そうした選択が、時には体に負担をかけることも。
薬は“合うかどうか”が何より大切です。 自己判断が不安なときは、ぜひ薬剤師へご相談ください。体質や症状に合わせたアドバイスを通じて、もっと安心できる服薬をサポートします。
✅ まとめ
- カロナール:やさしく穏やかに効き、小児・妊婦にも使いやすい
- ロキソニン:炎症をしっかり抑え、即効性に優れるが副作用に注意
- 選び方は「症状」「体質」「年齢」「併用薬」などを見て判断
- 迷ったら薬剤師へ相談。あなたに合った薬選びをサポートします
このブログと相談室が、薬を正しく選び、安心して使えるきっかけになれば嬉しいです。
🗨️ あなたの体験談もぜひ教えてください!
「カロナールで助かった」「ロキソニン派です!」など、コメント欄でのご意見・経験もお待ちしています😊
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