🍁薬剤師がすすめる秋の便秘対策|マグミットとプルゼニドの使い分け+最新ガイドライン解説
✅この記事でわかること
- 秋に便秘が増える理由
- マグミットとプルゼニドの違いと使い分け
- 2023年改訂「慢性便秘症診療ガイドライン」のポイント
- 高齢者への注意点と代替薬の選択肢
- 食事・生活習慣でできる予防法
🍂秋に便秘が増える理由とは?
秋は気温の低下とともに水分摂取量が減り、腸の動きが鈍くなりがちです。運動量の減少や食生活の変化(炭水化物中心、食物繊維不足)も便秘の原因になります。
📘2023年改訂「慢性便秘症診療ガイドライン」のポイント
- 新定義:便が大腸内に滞ることで、硬便・排便回数の減少・残便感・排便困難感などを認める状態
- 慢性便秘症:日常生活や身体に支障をきたす病態。心血管疾患リスクとの関連も示唆
- 治療方針:非刺激性下剤を第一選択とし、生活習慣の改善と併用することが推奨
💊便秘薬の基本|マグミットとプルゼニドの違い
項目 | マグミット(酸化マグネシウム) | プルゼニド(センノシド) |
---|---|---|
分類 | 非刺激性下剤 | 刺激性下剤 |
作用 | 腸に水分を引き込む | 腸を直接刺激して蠕動運動を促す |
効果発現 | ゆるやか(1〜2日) | 速効性(8〜12時間) |
習慣性 | 低い | 高め(長期使用注意) |
副作用 | 高マグネシウム血症(腎機能注意) | 腹痛・下痢など |
🧭薬剤師がすすめる使い分けのポイント
- 慢性便秘の第一選択は非刺激性下剤(例:マグミット、モビコール)
- 高齢者や腎機能低下者にはマグミットは慎重に使用
- プルゼニドは頓用・短期使用が推奨される(習慣性・耐性に注意)
- 上皮機能変容薬(アミティーザ®、リンゼス®)や胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス®)も選択肢に追加
👴高齢者におけるマグミット使用の注意点
加齢に伴い腎機能が低下しやすく、マグネシウムの排泄能力が低下します。高マグネシウム血症になると、筋力低下・意識障害・不整脈などのリスクがあるため、慎重な使用が求められます。
✅代替薬の選択肢
- モビコール®:腎機能への影響が少なく、高齢者にも使いやすい
- ラクツロース製剤:腸内細菌による分解を利用した浸透圧性下剤
- アミティーザ®・リンゼス®:上皮機能変容薬として新たな選択肢
🍽️薬に頼らない秋の便秘対策
- 食物繊維を意識した献立:さつまいも、きのこ、れんこんなど
- 水分補給:白湯やスープで自然に摂取
- 軽い運動:腸の蠕動運動を促進
- 排便習慣の見直し:毎朝決まった時間にトイレへ
🧑⚕️薬剤師からのアドバイス
便秘薬は「使い方」が重要です。2023年のガイドラインでは、生活習慣の改善を第一に、薬物療法は症状に応じて段階的に選択することが推奨されています。マグミットとプルゼニドは目的に応じて使い分けることで、より安全かつ効果的な便秘対策が可能になります。特に高齢者には、腎機能や併用薬を考慮した慎重な選択が求められます。
📌まとめ|秋の便秘は早めの対策がカギ!
- 秋は便秘が悪化しやすい季節
- ガイドラインでは非刺激性下剤が第一選択
- 高齢者にはマグミットの使用に注意し、代替薬も検討
- プルゼニドは頓用に適しているが、長期使用は避ける
- 食事・生活習慣の見直しも重要
🍂秋は不調が重なりやすい季節|関連情報もチェック
秋は便秘だけでなく、花粉症や肌トラブルなど、複数の不調が重なりやすい季節です。薬剤師の視点から、関連する症状への対策もあわせて確認しておきましょう。
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