🧴薬剤師がすすめる保湿剤の塗り方と順番
~ヒルドイド・ヘパリン類似物質を正しく使って乾燥肌をケア~
✅ この記事でわかること
- ヒルドイド・ヘパリン類似物質の特徴と違い
- 正しい塗り方とタイミング
- 全身に使う場合の使用量の目安
- スキンケアの順番と併用のコツ
- よくある質問と注意点
ヒルドイドの記事を書いているので、一度読むことをお勧めします。リンクを貼っています。参考にどうぞ。→ヒルドイドの真実|保湿剤の正しい使い方と美容目的で使ってはいけない理由 | 薬剤師ブログ&相談室
🧪 ヒルドイド・ヘパリン類似物質とは?
ヘパリン類似物質は、皮膚の保湿・血行促進・抗炎症作用を持つ医薬品成分です。医療現場では「ヒルドイド」やそのジェネリック製品として広く使われています。
製品名 | 主成分 | 主な作用 | 使用目的 |
---|---|---|---|
ヒルドイドソフト軟膏 | ヘパリン類似物質 | 保湿・血行促進・抗炎症 | 乾燥肌、アトピー、瘢痕、しもやけなど |
ヒルドイドローション | ヘパリン類似物質 | 保湿・血行促進 | 広範囲の乾燥、夏場のケアに |
ジェネリック製品(HPクリームなど) | ヘパリン類似物質 | 同上 | 医療用・市販薬として使用可能 |
なぜ保湿が必要なのか?
乾燥肌やアトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しています。保湿剤を使うことで、皮膚の水分保持力を高め、外部刺激から守ることができます。
🧼 正しい塗り方とタイミング
🌟基本ステップ(薬剤師推奨)
- 入浴・洗顔後5分以内に塗布
- 清潔な手で適量を取る(1FTU=約0.5g)
- こすらずやさしく伸ばす(押さえるように)
💡塗布量の目安(1FTUとは?)
1FTU(フィンガーチップユニット)=人差し指の先から第一関節まで押し出した量。約0.5gで、手のひら2枚分の面積に塗布可能です。
👤 全身への使用量の目安(成人)
部位 | 使用量(FTU) | グラム換算 | 備考 |
---|---|---|---|
顔 | 約1FTU | 約0.5g | 目元・口元は薄く |
首 | 約1FTU | 約0.5g | 前後含む |
両腕(肩~手) | 約3FTU | 約1.5g | 片腕1.5FTU |
両手 | 約1FTU | 約0.5g | 手の甲・指含む |
胸部 | 約3FTU | 約1.5g | 胸~腹部 |
背中 | 約4FTU | 約2g | 腰含む |
両脚(太もも~足) | 約6FTU | 約3g | 片脚3FTU |
両足 | 約2FTU | 約1g | 足の甲・足裏・指含む |
🔢 合計目安: 約21FTU(約10.5g)/1回分
🕒 1日2回塗布する場合: 約21g/日
🔄 スキンケアの順番と併用のコツ
💧水分→油分の順が基本
ステップ | 内容 | 目的 |
---|---|---|
① | 洗顔・入浴 | 肌を清潔にする |
② | 化粧水 | 水分補給 |
③ | 美容液 | 有効成分を届ける |
④ | ヘパリン類似物質 | 保湿・血行促進 |
⑤ | 乳液・クリーム | 水分の蒸発を防ぐ |
🧴剤形による使い分け
- ローション・フォーム:広範囲や夏場におすすめ。さっぱりした使用感
- クリーム・軟膏:乾燥が強い部位や冬場に。しっとりした使用感
❓よくある質問と注意点
Q. 傷口やニキビに使ってもいい?
→ 赤いニキビや傷口には使用を避けましょう。炎症が悪化する可能性があります。
Q. ステロイドとの併用は?
→ 一般的には「保湿剤→ステロイド」の順で塗布します。医師の指示に従いましょう。
Q. 市販品と処方薬の違いは?
→ 濃度や剤形が異なるため、自己判断で切り替えず、薬剤師に相談を。
📝まとめ|薬剤師が伝えたいこと
ヒルドイドやヘパリン類似物質は、ただ塗るだけではなく「いつ・どこに・どれだけ・どの順で」使うかが重要です。
薬剤師としての知識と経験を活かし、患者さんが安心して使えるような情報を発信することで、日々のスキンケアがより効果的になります。
正しい使い方を知ることで、乾燥肌や皮膚トラブルの予防・改善につながります。
ご自身やご家族の肌ケアに、ぜひ今回の内容を役立ててみてください。
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保湿剤の使い方についてのご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
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