夏風邪と新型コロナ・インフルエンザの見分け方|市販薬と受診目安

夏風邪と新型コロナ・インフルエンザの見分け方|市販薬と受診目安 健康・セルフケア

発熱、のどの痛み、せき、鼻水、だるさは、いわゆる夏風邪、新型コロナ、インフルエンザなど複数の急性呼吸器感染症で共通します。症状だけで病名を確実に見分けることはできません。

急な高熱や強い倦怠感はインフルエンザでみられやすいものの、新型コロナや他の感染症でも起こります。流行状況、発症からの時間、接触歴、診察、必要に応じた検査を組み合わせて判断します。

この記事の要点

  • 症状の組み合わせだけでは確定できない
  • 国が承認した検査キットを選び、結果だけで自己診断しない
  • 市販薬は症状を和らげる薬で、感染症そのものを判別する薬ではない
  • 総合感冒薬の重複と、年齢・持病・妊娠中の使用に注意する
  • 息苦しさ、意識障害、水分が取れないなどがあれば早めに受診する

「夏風邪」は一つの病名ではない

「夏風邪」は、夏にみられるかぜ症状をまとめて表す一般的な呼び方です。特定の一つのウイルスや病気を指す正式な診断名ではありません。新型コロナやインフルエンザのほか、さまざまなウイルスによる急性呼吸器感染症が考えられます。

厚生労働省は、急性呼吸器感染症を、急な発熱、せき、のどの痛み、鼻水などを伴う感染症の総称として扱っています。季節だけで「夏風邪」と決めつけないことが大切です。

症状の傾向を比較

確認点 いわゆる夏風邪 新型コロナ インフルエンザ
発熱 ない場合から高熱までさまざま ない場合から高熱までさまざま 急な発熱がみられることがある
のど・せき・鼻水 よくみられる よくみられる みられることがある
だるさ・筋肉痛 程度はさまざま 強い場合がある 急に強く出る場合がある
胃腸症状 伴う場合がある 伴う場合がある 特に小児などで伴う場合がある
判別 症状だけでは確定できず、診察や検査が必要な場合がある

これは一般的な傾向で、個人差があります。「味覚・嗅覚が正常だからコロナではない」「高熱でないからインフルエンザではない」と判断することはできません。

検査キットを使用するときの注意

新型コロナやインフルエンザの一般用抗原検査キットを購入する場合は、国が承認した「第1類医薬品」または「体外診断用医薬品」と表示された製品を選びます。「研究用」と表示された製品は、国が性能を確認した一般用検査薬ではありません。

  • 説明書に記載された対象者と検査時期を確認する
  • 鼻腔から検体を取る方法と判定時間を守る
  • 判定時間内の結果を写真で残す
  • 発症日と検査日時を記録する
  • 陰性でも症状が続く・悪化する場合は受診を検討する

検査の時期や検体採取の方法によって、感染していても陰性となる可能性があります。また、新型コロナ・インフルエンザ同時検査で両方が陰性でも、別の感染症を否定するものではありません。

市販薬を選ぶ前に確認すること

市販の解熱鎮痛薬、せき止め、鼻炎薬、のどの薬は症状を和らげる対症療法です。新型コロナやインフルエンザを治す抗ウイルス薬の代わりにはなりません。

総合感冒薬の重複

複数のかぜ薬を一緒に使うと、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛成分、抗ヒスタミン成分、せき止め成分が重複することがあります。商品名ではなく成分欄を確認してください。

購入前に相談したい人

  • 乳幼児、高齢者
  • 妊娠中・授乳中
  • 腎臓病、肝臓病、心臓病、胃潰瘍、喘息などがある
  • 抗凝固薬、糖尿病薬などの処方薬を使用している
  • 水分や食事が取れず脱水が疑われる

せき止めや鼻炎薬には眠気を起こす成分が含まれることがあります。服用後の運転可否も薬剤師へ確認しましょう。

インフルエンザ治療は受診時期も重要

厚生労働省によると、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に開始すると、発熱期間を通常1~2日短縮することが期待されます。ただし、すべての患者に必須ではなく、症状が出てからの時間、年齢、重症化リスクなどを踏まえて医師が判断します。

高齢者、免疫機能が低下している人、小児など重症化リスクが高い人は、早めに医療機関へ相談してください。家に残っている抗インフルエンザ薬を自己判断で使用してはいけません。

自宅で確認・記録する項目

  • 症状が始まった日時と最高体温
  • せき、のど、鼻水、頭痛、筋肉痛、下痢・嘔吐の経過
  • 息苦しさ、胸痛、会話や歩行時の状態
  • 飲めた水分量、食事量、尿の回数
  • 検査キットの商品名、検査日時、結果写真
  • 使用した処方薬・市販薬と服用時刻

薬局や受診先では、「今の体温」だけでなく、発症からどう変化したかを伝えると判断に役立ちます。

周囲へ広げないために

発熱やせきなどがある間は、無理な出勤・登校や人混みへの外出を避け、換気、手洗い、場面に応じたマスク着用、せきエチケットを心掛けます。タオルや食器を共有した後は適切に洗浄し、同居者との接触にも配慮してください。

検査が陰性でも、感染症を完全に否定できるとは限りません。症状、勤務先・学校の基準、医療機関の案内を確認します。

早めに受診したい症状

  • 息苦しい、呼吸が速い、胸が痛い
  • 意識がもうろうとする、反応が鈍い
  • 水分がほとんど取れない、繰り返し吐く
  • 尿が極端に少ない、口が強く乾く
  • 高熱が続く、いったん改善後に再び悪化した
  • 強い頭痛、首が硬い、けいれん
  • 乳幼児の顔色が悪い、ぐったりしている

呼吸困難、意識障害、けいれんなど緊急性が高い場合は救急要請を検討してください。高齢者、妊婦、乳幼児、基礎疾患のある方、免疫機能が低下している方は、症状が軽く見えても早めに相談します。

薬局・医療機関へ伝えると役立つ情報

発症日、最高体温、検査結果だけでなく、同居人や職場での感染状況、使用した薬、持病、妊娠・授乳、アレルギー・副作用歴を伝えます。受診前に電話やウェブサイトで受付方法を確認すると、待合室での感染拡大防止にもつながります。

よくある質問

症状でコロナとインフルエンザを見分けられますか?

確実には見分けられません。特徴的に見える症状があっても、診察や検査を含めて判断する必要があります。

検査が陰性なら出勤してよいですか?

陰性だけで感染を完全には否定できません。症状の程度、発症から検査までの時間、勤務先の規定、医療機関の案内を確認してください。

抗菌薬は効きますか?

新型コロナ、インフルエンザなどのウイルス感染症に抗菌薬は効きません。細菌感染が疑われる場合に医師が判断して処方します。

解熱剤で熱が下がれば治ったと考えてよいですか?

解熱剤で一時的に熱が下がっても、感染症が治ったとは限りません。全身状態、水分摂取、呼吸状態、症状の経過を確認してください。

まとめ

  • 夏風邪、新型コロナ、インフルエンザは症状だけでは確定できない
  • 検査には国が承認した一般用キットを使用する
  • 陰性でも感染や別の病気を完全には否定できない
  • 市販薬の成分重複、持病・妊娠・運転への影響を確認する
  • 呼吸困難、意識障害、脱水などでは早めに受診する

市販のせき止めを選ぶ場合は市販の咳止め薬の選び方、脱水が心配な場合は経口補水液とスポーツドリンクの違いも参考にしてください。

参考資料

情報確認日:2026年9月2日。感染症の流行状況や公的案内は変わるため、厚生労働省・自治体・医療機関の最新情報も確認してください。この記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断・治療に代わるものではありません。

この記事の執筆・確認について

執筆・確認:ナカサポ(薬剤師)
薬剤師として医療現場で10年以上の実務経験があります。詳しい経歴と編集方針は運営者情報・編集方針をご確認ください。

市販薬を選ぶ前に確認したい条件

商品名だけでなく有効成分、含有量、対象年齢、服用回数を確認します。処方薬、ほかの市販薬、サプリメント、持病、妊娠・授乳の状況によっては使用できない場合があります。症状が改善しないときは、別の商品を重ねず薬剤師または医療機関へ相談してください。

相談時に伝えると役立つこと

  • 症状の開始時期と変化
  • 使用中の処方薬・市販薬・サプリメント
  • 持病、アレルギー、副作用歴
  • 妊娠・授乳、年齢、運転など生活上の条件

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の服薬判断は、添付文書と最新の診療情報を確認できる医師・薬剤師へご相談ください。

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