結論:セルベックスとムコスタは、どちらも胃粘膜を守る処方薬ですが、有効成分・承認されている効能・副作用・服用方法が異なります。セルベックスの成分はテプレノン、ムコスタの成分はレバミピドです。症状だけで優劣を決めたり、自己判断で入れ替えたりする薬ではありません。
この記事では、PMDAの電子添文をもとに、両剤の違い、併用、副作用、処方時に確認したいポイントを薬剤師がわかりやすく整理します。
セルベックスとムコスタの違いを比較
| 比較項目 | セルベックス | ムコスタ |
|---|---|---|
| 有効成分 | テプレノン | レバミピド |
| 主な効能・効果 | 急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善/胃潰瘍 | 胃潰瘍/急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 |
| 通常の成人用法 | 通常、1日150mgを3回に分け、食後に服用 | 通常、1回100mgを1日3回。胃潰瘍では朝・夕・就寝前 |
| 代表的な剤形 | カプセル50mg、細粒10% | 錠100mg |
| 電子添文に記載された主な重大な副作用 | 肝機能障害、黄疸(頻度不明) | ショック・アナフィラキシー、白血球減少、血小板減少、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明) |
※効能・用法は先発品の電子添文を要約しています。実際の処方は年齢、症状、併用薬などにより異なることがあります。
効果と作用の違い
セルベックス(テプレノン)
胃粘膜の防御機能に関わる成分を増やし、胃粘液の維持や胃粘膜の保護に働く薬です。電子添文では、急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期にみられる胃粘膜病変の改善と、胃潰瘍が効能・効果として記載されています。
ムコスタ(レバミピド)
胃粘膜のプロスタグランジン増加や胃粘液量の増加などを通して、胃粘膜を保護する薬です。電子添文では、胃潰瘍と、急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期にみられる胃粘膜病変の改善が効能・効果として記載されています。
「ムコスタのほうが強い」「セルベックスのほうが安全」と一律には言えません。処方する薬は、診断、症状、過去の副作用、剤形、服用時刻、併用薬などを踏まえて決まります。
副作用の違い
副作用は、起こりやすさだけでなく、症状に気づいたときの対応を知っておくことが大切です。
セルベックスで記載されている副作用
電子添文には、便秘、下痢、吐き気、腹痛、頭痛、発疹などのほか、重大な副作用として肝機能障害・黄疸が記載されています。
ムコスタで記載されている副作用
便秘、腹部膨満感、下痢、味覚異常、発疹などのほか、重大な副作用としてショック・アナフィラキシー、白血球減少、血小板減少、肝機能障害・黄疸が記載されています。
発疹、息苦しさ、顔や喉の腫れ、強いだるさ、皮膚や白目が黄色くなるなどの異常がある場合は、服用を続ける前に医療機関へ連絡してください。緊急性が高い症状では、すぐに救急受診が必要です。
セルベックスとムコスタは併用できる?
両剤が同時に処方されることはあり得ますが、併用すれば必ず効果が高まるとは限りません。処方目的や患者背景を確認せずに、手元の残薬を追加することは避けてください。
同じ胃の不調でも、胃酸を抑える薬が必要な場合や、検査・受診を優先すべき場合があります。併用の可否は、処方医または薬剤師に、服用中の薬・サプリメントをすべて伝えたうえで確認しましょう。
セルベックスとムコスタはどちらが合う?
選択の基準は「どちらが強いか」ではなく、診断と処方目的に合っているかです。特に次の点が判断材料になります。
- 胃潰瘍、急性胃炎などの診断と症状
- 食後や就寝前など、指示された服用時刻を守れるか
- 過去に薬で発疹や肝機能異常などが起きたことがあるか
- 妊娠・授乳、小児、高齢者など個別の注意が必要か
- 鎮痛薬を含む、現在使用中の薬やサプリメント
薬の名前が似た目的で処方されていても、他人の薬を使ったり、残薬へ切り替えたりしないでください。
薬剤師に相談するときのチェックリスト
- 痛み、胸やけ、吐き気、食欲低下などの症状と始まった時期
- 症状が食事や服薬と関係しているか
- ロキソニンなどの鎮痛薬、ステロイド、血液を固まりにくくする薬の使用
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往、薬によるアレルギー
- 処方薬、市販薬、サプリメントを含む現在の使用薬
よくある質問
セルベックスとテプレノンは同じですか?
セルベックスは製品名、テプレノンは有効成分名です。テプレノンを含む後発医薬品もあります。
ムコスタとレバミピドは同じですか?
ムコスタは製品名、レバミピドは有効成分名です。レバミピドを含む後発医薬品もあります。
胃が痛いときは、どちらかを飲んで様子を見てもよいですか?
処方された目的と異なる自己判断での使用は避けてください。黒い便、吐血、突然の強い腹痛、繰り返す嘔吐、体重減少、飲み込みにくさなどがある場合は、早めの受診が必要です。症状が続く場合も原因の確認を優先してください。
飲み忘れたら2回分をまとめて飲めますか?
一般に2回分を一度に飲むことは避けます。ただし、次に飲むまでの時間などで対応が変わるため、薬袋の指示を確認し、わからない場合は処方元や薬局へ相談してください。
まとめ
セルベックスとムコスタは、どちらも胃粘膜を守る目的で使われますが、成分はそれぞれテプレノンとレバミピドです。承認された用法、副作用、剤形にも違いがあります。検索上の評判だけで優劣を決めず、処方理由を確認して指示どおりに服用することが大切です。
参考資料・情報確認日
情報確認日:2026年7月30日
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この記事の執筆・確認について
執筆・確認:nakasapo89314(薬剤師)
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断、治療、処方、服薬指示に代わるものではありません。薬の開始・変更・中止は自己判断で行わず、医師または薬剤師にご相談ください。
安全にお読みいただくために
本記事は一般的な医療・医薬品情報を提供するもので、個別の診断や処方を行うものではありません。処方薬を自己判断で中止・変更しないでください。妊娠・授乳中、小児、高齢者、腎臓・肝臓の病気がある方、ほかの薬を使用中の方は、医師または薬剤師へご相談ください。症状が強い、急に悪化した、長引く場合は医療機関を受診してください。
参考にした公的情報
情報確認日:2026年8月6日

