カロナールとロキソニンは、どちらも熱や痛みに使われる薬ですが、成分・作用・注意すべき副作用が異なります。カロナールの主成分はアセトアミノフェン、ロキソニンの主成分はロキソプロフェンです。年齢、妊娠の有無、胃腸・腎臓・肝臓の状態、脱水、併用薬によって適した薬は変わります。
この記事では、薬剤師の視点から両者の違いと注意点を整理します。処方されている方は、自己判断で変更・追加せず、医師や薬剤師の指示を優先してください。
カロナールとロキソニンの違いを比較
| 比較項目 | カロナール | ロキソニン |
|---|---|---|
| 主成分 | アセトアミノフェン | ロキソプロフェンナトリウム水和物 |
| 薬の分類 | 解熱鎮痛薬 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) |
| 主な作用 | 熱を下げ、痛みを和らげる | 熱・痛み・炎症を抑える |
| 特に注意する点 | 重複服用、過量、肝機能障害 | 胃腸障害、腎機能障害、喘息、心血管系への影響など |
| 空腹時 | 処方指示に従う | 空腹時を避けることが望ましい(急性上気道炎を除く用法上の注意) |
「どちらが強いか」だけで選ぶのではなく、症状と体の状態を合わせて判断することが大切です。
カロナール(アセトアミノフェン)の特徴
カロナールは、発熱や頭痛、歯痛など幅広い熱・痛みに用いられます。ロキソニンのようなNSAIDsとは分類が異なり、炎症を抑える作用は強くありません。
注意したい副作用と重複
重要なのは、アセトアミノフェンを含む別の薬との重複です。市販のかぜ薬や解熱鎮痛薬にも含まれていることがあり、知らずに重ねると過量投与や重い肝障害につながるおそれがあります。商品名ではなく「成分名」を確認してください。
- 肝臓病がある
- 日常的に多量の飲酒をする
- 食事が十分に取れない、低栄養の状態にある
- ほかの解熱鎮痛薬・かぜ薬を使用している
これらに当てはまる場合は、服用前に医師または薬剤師へ相談しましょう。
2026年8月の電子添文改訂:重篤な腎障害、肝障害(重篤な肝障害を除く)、敗血症、栄養障害など、ピログルタミン酸が蓄積しやすい患者への注意が追加されました。その結果、アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスが起こるおそれがあります。該当する病気や状態がある方は、自己判断で使用せず、医師または薬剤師へ確認してください。
ロキソニン(ロキソプロフェン)の特徴
ロキソニンはNSAIDsに分類され、痛みや発熱に加えて炎症も抑えます。関節痛、腰痛、歯痛などにも処方されます。一方で、胃腸や腎臓などへの影響に注意が必要です。
服用前に必ず相談したい方
- 胃・十二指腸潰瘍の治療中または既往がある
- 腎臓病、心臓病、高血圧がある
- 鎮痛薬で喘息発作を起こしたことがある
- 妊娠中、妊娠の可能性がある、授乳中である
- 高齢者、脱水状態、食事や水分が取れていない
- 抗凝固薬など、ほかの薬を使用している
ロキソプロフェンの電子添文では、消化性潰瘍、重篤な血液・肝・腎・心機能障害、アスピリン喘息などが禁忌として示されています。自己判断での使用は避けてください。
症状別の考え方
発熱・かぜの痛み
どちらも使われることがありますが、原因や持病、年齢によって選択が変わります。水分が取れず脱水が疑われる場合、特にNSAIDsは腎機能への影響が問題になることがあります。薬だけで様子を見続けず、状態が悪い場合は受診してください。
頭痛
繰り返す頭痛に鎮痛薬を頻繁に使うと、薬剤の使用過多による頭痛を招くことがあります。頭痛の回数と服用日を記録し、頻度が増えている場合は医療機関へ相談しましょう。
歯痛・腰痛・関節痛
炎症を伴う痛みではNSAIDsが選ばれることがありますが、原因治療の代わりにはなりません。歯痛は歯科、けがや強い痛みは適切な診療科を受診してください。
子ども
年齢・体重に基づく用量調整が必要です。成人用の薬を分けて飲ませたり、きょうだいの処方薬を流用したりしないでください。
カロナールとロキソニンは一緒に飲める?
作用の仕組みは異なりますが、自己判断での併用はおすすめできません。医師が症状や服用間隔を考慮して併用を指示する場合はあります。処方内容どおりに使用し、不明点は調剤した薬局へ確認してください。
同じ成分を含む市販薬との重複にも注意が必要です。お薬手帳と、使用している市販薬・サプリメントの現物または写真を薬剤師に見せると確認しやすくなります。
服用後に受診を急ぐ症状
次のような症状が現れた場合は服用を中止し、早めに医療機関へ相談してください。息苦しさ、意識障害、けいれん、顔や喉の腫れなど緊急性が高い症状では救急要請も検討してください。
- 息苦しさ、喘鳴、顔・唇・喉の腫れ
- 広範囲の発疹、水ぶくれ、口や目の粘膜のただれ
- 黒い便、血を吐く、強い腹痛
- 尿量が極端に減る、むくみ、強いだるさ
- 皮膚や白目が黄色い、濃い色の尿、食欲不振
よくある質問
胃が弱い人はカロナールなら安心ですか?
NSAIDsとは注意点が異なりますが、誰にでも安全という意味ではありません。肝機能、栄養状態、飲酒、重複薬などの確認が必要です。
ロキソニンは胃薬と一緒なら安全ですか?
胃薬を併用しても、腎機能障害や喘息などすべてのリスクを防げるわけではありません。持病や併用薬を含めて判断する必要があります。
効かないときは追加してよいですか?
追加服用の可否や間隔は、処方・製品ごとに異なります。早めに追加せず、処方指示や添付文書を確認し、迷ったら医師・薬剤師へ相談してください。
まとめ
- カロナールはアセトアミノフェン、ロキソニンはNSAIDsのロキソプロフェン
- カロナールは重複服用と肝障害、ロキソニンは胃腸・腎臓・喘息などに特に注意
- 「強さ」だけでなく、年齢・持病・妊娠・脱水・併用薬を含めて選ぶ
- 自己判断で併用・増量せず、処方指示を優先する
解熱鎮痛薬の選択に迷う場合は、使用中の薬が分かるものを持って医師または薬剤師に相談してください。
関連記事
参考資料
情報確認日:2026年8月30日。この記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断や処方に代わるものではありません。
カロナールとロキソニンを選ぶ前の確認ポイント
両剤は痛みや発熱に使われますが、有効成分と注意すべき副作用が異なります。年齢、持病、妊娠、脱水、胃腸・腎臓・肝臓の状態、ほかの解熱鎮痛薬の使用状況を確認せず、自己判断で併用や切り替えをしないでください。
市販の鎮痛薬との違いはEVE(イブ)とロキソニンの比較記事も参考にしてください。
この記事の執筆・確認について
執筆・確認:nakasapo89314(薬剤師)
薬剤師として医療現場で10年以上の実務経験があります。詳しい経歴と編集方針は運営者情報・編集方針をご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断、治療、処方、服薬指示に代わるものではありません。薬の開始・変更・中止は自己判断で行わず、医師または薬剤師にご相談ください。
